大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和25年(う)170号 判決

(イ) 所論の被告人の司法警察員に対する第四回供述調書における被告人の供述がその以前の司法警察員に対する第一、二、三回供述調書における供述と異つて、強盜殺人の目的をもつて田畑佐一郎等の就寝中押し入り、薪をもつて田畑佐一郎を殴打し、篠村ミツを絞殺し強姦の上、金品を強奪し、且つ証拠隠滅のため放火したとの趣旨になつており、その後被告人の検事に対する供述調書における供述及び原審公判廷における供述が右第一、二、三回供述調書における供述に復していること本件記録中の右各供述調書によつて明らかであるが、右一事をもつて右第四回供述調書における供述が任意になされたものでないことの疑のあるものということのできないのはもとより原審並びに当審証人藤枝松治の各証言その他本件記録によれば右第四回供述調書における供述が任意になされたものでないことの疑あるものということができない。

(ロ) 右検証調書とこれが添附の図面及び写真を仔細に検討しこれをその他原判決挙示の他の証拠と彼此考量するに右添附図面及び写真は相当詳細且つ適切のものであり、右検証調書の記載と相俟つて原判決判示事実を認定する有力な一資料であることを窺うに充分であるから、このような図面写真添附の検証調書の証拠調に当つては検証調書の記載を朗読する外、その添附の図面写真を訴訟関係人に展示すべきこと正に弁護人所論のとおりであり、原審公判調書によつても原審が右第一回公判廷においてはもとよりその他本件の審理中に右図面写真を被告人又は弁護人に展示したことの記載がないのみならず、本件記録によつてもこれが展示事実を認め得ないからこの点の原審の証拠調には添附図面及び写真を展示しない違法があるものといわなければならない。

(中略)

この点の原判決の証拠説明は、前記検証調書の記載とのみあつて、右添附図面写真を除外する旨の記載がないばかりでなく、この点に関する原判決の判示により原審が右添附図面写真をも証拠として採用しているものということができるから、このような有力証拠にこのような手続違背がある限り、判決に影響を及ぼすことは明らかなものといわなければならない。論旨は結局理由がある。

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